inahachiの書評

日々読んだ書籍の短評となります

「高橋是清自伝」高橋 是清

「高橋是清自伝」高橋 是清 2018年 中公文庫 明治から昭和の初めまでに活躍した日本の偉人の自伝。 自伝ですが、あまり自己満足の描写が多いわけではないので、比較的読み易いです。 人間的にも完全ではなく、どちらかというとダメ人間が機会と運に恵まれて…

「あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略」尾原和啓

「あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略」尾原和啓 2020年 SBクリエイティブ自由を手に入れた実業家の尾原さんが唱える新しい生き方の教科書。 いいたいことは分かるのですが、その前に先立つものが無い人はどうすればよいのか、 結局は…

「ビルマ・アヘン王国潜入記」 高野 秀行

「ビルマ・アヘン王国潜入記」 高野 秀行 1998年 草思社かってビルマ東北部のワ州がアヘンの一大産地だったころにそこに行き生活してきたというとんでもないことを実行した高野さんのルポ。 今後、ここまでの仕事を出来る人が現れるのでしょうか? 時代も政…

「なめらかな社会とその敵」 鈴木 健

「なめらかな社会とその敵」 鈴木 健 2022年 ちくま文庫核と膜とネットワークの生物学的な原理を、貨幣・選挙・法律・戦争という社会学的な大きな問題に対応するためのコンセプトとして展開する思考実験の一冊。 既存のパラダイムの中にない概念を提唱してい…

「地球のかじり方 世界のレシピBOOK」地球の歩き方編集室  佐藤わか子

「地球のかじり方 世界のレシピBOOK」地球の歩き方編集室 佐藤わか子 2022年 コロナで一度壊滅した地球の歩き方を再生したシリーズの中野一冊。 料理が好きな人、世界旅行が好きな人はさらっと読んで楽しみましょう。 レシピも書いてあるので気になった食事…

「物理数学の直観的方法」 長沼 伸一郎

「物理数学の直観的方法」 長沼 伸一郎 2011年 講談社 大学生レベルの物理学のキモを開設した本。 本気の理系の一冊なので、物理学に精通した人以外は手に負えないでしょう。 逆に理系で物理学を一度は勉強したことがある人には、なんらかの発見がある一冊で…

「グレープフルーツ・ジュース」 オノ・ヨーコ

「グレープフルーツ・ジュース」 オノ・ヨーコ 1998年 講談社 ジョンレノンのイマジンを生んだオノヨーコの著作。 詩集なのか、心象風景なのか、人生論なのか定義の分からない本ですが、 かって歴史を作った一冊であることは間違いないので、 ビートルズに少…

「まちおこしは総力戦で挑め! 小田原発「地域創生のカギはSDGsにあり」 蓑宮 武夫

「まちおこしは総力戦で挑め! 小田原発「地域創生のカギはSDGsにあり」 蓑宮 武夫 2022年 PHPエディターズ ソニーという大企業を定年退職した後、地元の小田原で町おこしに尽力している著者の活動記が前半。 前半部分は、それぞれのプロジェクトを分かりやす…

「現代経済学の直観的方法」 長沼 伸一郎 

「現代経済学の直観的方法」 長沼 伸一郎 2020年 講談社 物理学者であり、社会学者である長沼さんの経済学+物理学の本。 経済学の基礎なる事項の習熟と現代社会に照らした時の課題を読み取ることが出来ます。 現代人の基礎教養として推薦できる内容となりま…

「テッコツ! 知られざる鉄骨の世界」 杉山 忠義

「テッコツ! 知られざる鉄骨の世界」 杉山 忠義 2022年 幻冬舎 建築で使われる鉄骨メーカーの仕事に関して紹介している本。 誰が好んで読むのかまったく意味の分からない本。鉄骨業界の勉強をしたいという異常な趣味の方の入り口になる本。 というと、需要…

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」 尾原 和啓

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」 尾原 和啓 2021年 幻冬舎 実業家のけんすうさんが提起した「プロセスエコノミー」の説明書。 モノ余り、金持ちの先進国の遊びといえば遊び。資本主義の醜い部分をスートリーで取り繕った概念。 字も大きくて…

「世界史の構造的理解 現代の「見えない皇帝」と日本の武器」 長沼 伸一郎

「世界史の構造的理解 現代の「見えない皇帝」と日本の武器」 長沼 伸一郎 2022年 PHP研究所 世界史と地政学を科学の知見で絞殺することにより、思考を整理するという試み。 それをもって日本の未来をどう切り開くのかという提言をしています。 人生を考える…

「西南シルクロードは密林に消える」 高野 秀行

「西南シルクロードは密林に消える」 高野 秀行 2009年 講談社 とりあえず現地に特攻して生きて帰ってくるという冒険家?の高野さんの冒険記。 世の中にこんなにいい加減なジャーナリズムや冒険があっていいのかと理解を超える展開が続きます。 高野さんの生…

「W16 世界の中華料理図鑑 (地球の歩き方W)」 地球の歩き方編集室

「W16 世界の中華料理図鑑 (地球の歩き方W)」 地球の歩き方編集室 2022年 コロナで危機に陥った地球の歩き方の復活シリーズの一つ。 中華料理と旅行が好きな方は必見。中華料理の広がりとバリエーションの豊かさを楽しめる本です。

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明」 伊神 満

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明」 伊神 満 2018年 日経BP社 企業経済学の中でもいまや有名なイノベーターのジレンマをきちんと数式と理論に落とし込んで解説した本。 およそすべての経営者には読んでもらいたい一冊となっています。 結局は、やる…

「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」 角幡 唯介

「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」 角幡 唯介 2014年 集英社探検家 角幡さんのノンフィクションでありつつも、過去のフランクリン隊の謎解きを絡めたサスペンション的な構成の本。 現在の苦境に驚くのか、それを踏まえて過去の…

「唯識の思想」 横山 紘一

「唯識の思想」 横山 紘一 2016年 講談社 仏教の思想のひとつ唯識を丁寧に読み解いた本。丁寧ですが、やはり専門領域なので難しです。 とりあえずは、5識+意識+末那識+阿頼耶識の8識のおおまかな概念をつかめればよろしいでしょう。 上級の教養本。

「ミャンマーの柳生一族」高野 秀行

「ミャンマーの柳生一族」高野 秀行 2006年 集英社 探検家+ノンフィクション作家の高野さんの怪作。 当時のミャンマー政府を徳川幕府・その諜報部を柳生と見立てて関係が分かりやすくした作りにして、それに載せる軽妙な語りのリズムを楽しめます。 いまだ…

「辺境メシ ヤバそうだから食べてみた」 高野 秀行

「辺境メシ ヤバそうだから食べてみた」 高野 秀行 2020年 文芸春秋冒険家のようなノンフィクションライターの高野さんの取材旅行の中で出会った世界の食文化の本。 食事は、文化的な慣れや風土の問題なので、我々には奇妙に見えるものも、現地では一般的な…

「ジュリアン・アサンジ自伝―ウィキリークス創設者の告白」 ジュリアン アサンジ

「ジュリアン・アサンジ自伝―ウィキリークス創設者の告白」 ジュリアン アサンジ2012年 学研マーケティング 世界をゆるがしたウィキリークスの創立者の半生の自伝。世界と戦いそして負けてしまった一人の天才がなんなのかが少し分かるような気がします。 100…

「サイファーパンク インターネットの自由と未来」ジュリアン・アサンジ

「サイファーパンク インターネットの自由と未来」ジュリアン・アサンジ 2013年 青土社アメリカ国家と戦って負けたジュリアンアサンジとその仲間達の対談本。 内容はややマニアックなので、ついていけない人は特に読む必要は無さそうです。 ジュリアンアサン…

「発酵・醸造の疑問50」 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科

「発酵・醸造の疑問50」 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 2019年 成山堂書店 日本の食文化の基本というかほぼすべてといっても良い発酵・醸造に関しての解説書。 特に理系のひとでなくとも、日本の文化理解のためにも一度目をとおしておきましょう。

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」 佐藤 航陽

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」 佐藤 航陽 2017年 幻冬舎 IT系企業家の佐藤さんによる「お金」の本質を見直しながら主に経済の現状と今後の在り方に関しての構想を展開している本。 現状分析のパートは、改めて経済の本質の理解が進むことでしょ…

「もっと好きになる 日本酒選びの教科書」 竹口敏樹

「もっと好きになる 日本酒選びの教科書」 竹口敏樹 2017年 ナツメ社 日本酒の教科書といったところでしょうか。 深い内容にふみこみつつも、軽いタッチのイラストや表などが満載なので読みやすいです。 日本酒好きは手元に置いて損はないでしょう。

「進化論はいかに進化したか」 更科 功

「進化論はいかに進化したか」 更科 功 2019年 新潮社 ダーウィンの進化論。正確には、ダーウィンの変化論に関して、一般的に流布されている賛否の意見を歴史的な推移をもって丁寧に説明した本。 これほど有名であるにも関わらず誤解されている理論も珍しい…

「科学は、どこまで進化しているか」池内 了

「科学は、どこまで進化しているか」池内 了 2015年 祥伝社 科学の入り口の教養本。結論の出ていない学問も多く紹介しているので、ふんわりと楽しむのみの本となります。 中高生あたりの教養本としていかがでしょうか。

「化学千夜一夜物語」 太田 博道

「化学千夜一夜物語」 太田 博道 2022年 化学同人科学系の先生による、生活に関係しているような化学の仕組みを諸々紹介している良書。基本的なことから少し専門的なことまで踏み込んでいるので、化学が好きな方にはお勧めです。

「潰れた会社にいたから、潰れない会社をつくった」 山下 正夫

「潰れた会社にいたから、潰れない会社をつくった」 山下 正夫 2022年 カナリアコミュニケーションズ タイトル買いで手に取った本。経営のキモとかコツが書いてあるのかと思いきや 著者の仕事半生期といった内容で、引退した経営者の記念出版という内容。 良…

「ゼロエミッションと日本経済」 三橋 規宏

「ゼロエミッションと日本経済」 三橋 規宏 1997年 岩波新書 97年当時の最先端のエコ企業や事業を紹介した本。ある意味、近代の歴史書となります。それから25年各事業がどう推移したのか、検証してみるのも面白いかと思います。 ビジネス最前線の分析が好き…

「みんなが知りたい! プラスチックとごみ問題 開発の歴史から未来への対策までわかる本 」 子どもと環境問題研究会

「みんなが知りたい! プラスチックとごみ問題 開発の歴史から未来への対策までわかる本 」 子どもと環境問題研究会 2022年 メイツ出版 プラスチック問題と、プラスチックごみ問題を開設した教育本。 子供向けでありますが、単に一方の考え方のみを押し付ける…