inahachiの書評

日々読んだ書籍の短評となります

「腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する」 黒尾 誠

「腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する」 黒尾 誠 2022年 幻冬舎

医療研究者の黒尾さんの研究についての啓蒙書。

リンと老化の関係を現時点で分かっていることをまとめています。

医療の難しさは、あたらしい発見が実際の医療現場に降りてくるまでに、多額の費用と時間がかかること。

リンの制限に関しては、あと20年後くらいの常識となるでしょう。

予防医学としてリン制限のなにかを着手出来ればいいのですが、各種の規制がありすぐに実行できることは少ないようです。

結果、必要なのは、適度な運動と正確な知識に基づいた食事の管理という、あたりまえのこと。

 

「きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記」日本戦没学生記念会

きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記」日本戦没学生記念会 1995年  岩波文庫

第2次世界大戦の4年後に刊行された戦没者の手記集。

若くして散って至った先達の最後の言葉を聞くことが出来ます。

日本人であるならば一度は読んでおかないとならない本です。

現在の平和がなぜあるのかの一旦を感じることが出来るでしょう。

 

「限りある時間の使い方」  オリバー・バークマン

「限りある時間の使い方」  オリバー・バークマン 2022年 かんき出版

コスパヤタイパ、タイムハックなどを生きがいとしている現代の意識高い系の根底を覆す本。

言われてみれば当たり前のこと、何の為に生きているのか?を改めて問うことがそれぞれの人が行うべきことであると理解しましょう。

今を生きるための哲学の指南書です。

 

「自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力」 金山 亮 2023年 イーストプレス

PRの専門家の方のようですが、内容的には、「社内政治を頑張りましょう。ただし、従来型のベタなゴマすりではなく、仕事を通じて同僚や上司にコミットしましょう。」

といった内容です。

これが出来れば問題ないのに、出来ないしやりたくないから出世しないだけ。

ど正論を一冊にまとめた本。

無邪気な中高生には読んでもらいたい本かもしれません。

 

「多様性の時代を生きるための哲学」 鹿島 茂

「多様性の時代を生きるための哲学」 鹿島 茂 2022年 祥伝社

フランス文学・哲学者の加島さんと6名の知識人との対談本。形式としては、それぞれの方の著作を深堀するという形式。章によっては、その本を読んでいないと何も分からないような作りになっているために、各章をしっかりと理解したい方は、それぞれ5-6冊の課題図書を読む必要があります。

私は、面倒でしたので、そのまま読んでいったのですが、いくつかの賞は意味不明なままです。

この本を参考に読書幅を広げる道しるべに使うのも手です。

 

「働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる」 橘 玲

「働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる」 橘 玲2019年 PHP研究所

小説家であり、言論者でもある橘さんの、働き方の現状と将来予測の一冊。

テクノロジーの行きつく先は、AIが支配するデストピアなので、その中で自分のユートピアを見つけましょうといったSFが現実に近づいているとの警告でもあります。

最近話題のChatGPTを触ってみるといよいよそのような時代の入り口になってきているのだと実感致します。

少し前の預言の書として今読んでおきましょう。

 

「米国製エリートは本当にすごいのか? 」佐々木 紀彦

「米国製エリートは本当にすごいのか? 」佐々木 紀彦 2011年 東洋経済新報社

この当時は東洋経済の記者であった佐々木さんの米国のビジネス文化を紹介した本。

実際の留学体験を展開しているので、日本人の妄想や思い込みの修正が出来ます。

だからといって何?という感想に変わりはないですが、「米国のエリートは何なのか?」「今後の米国ビジネスはどうなっていくのか?」などの示唆にはなると思います。

グローバルで活躍したいと思っている学生や若手ビジネスマンは一読しておきましょう。