inahachiの書評

日々読んだ書籍の短評となります

「これが答えだ」宮台真司

「これが答えだ」宮台真司 1998年 明日香新書

社会学者・宮台真司さんの若い時の著作。一問一答形式をとっておりその当時の世相を反映したブルセラオウム真理教酒鬼薔薇あたりがキーワードとして散らばっています。とはいえ、議論の主軸は答えのない社会学の為に、宮台さんの答えは提案されてはいますが、それは答えではなく意見ですと認識しないと洗脳されます。

そもそも、妄想と迷走の間に位置する社会学は、古代より答えが無いものです。問いによっては古代アテネ時代にも同じ悩みがあったと思われます。その意味では、人間の精神・社会的な認識は、ほとんど進歩していないのだなとあらためて確認出来る一冊となります。