inahachiの書評

日々読んだ書籍の短評となります

「戦争広告代理店」 高木徹

「戦争広告代理店」 高木徹 2002年 講談社

1990年台の旧ユーゴズラビアで起きた民族紛争の裏側の一旦に着目したある種の歴史書。紛争当事者が外国のPR会社に助力をもらい状況を有利に導いたことが時系列で解説してあります。いまで言う旧来メディアですが、当時としては最先端のテレビ、ラジオ、新聞のマスメディアを使い情報操作を行う専門家のPR会社の立ち回りが読み取れます。

日本ではまだまだ職業としてのPR専門家は成立しておりませんが、米国は当時でも様々な知識と能力を持って活躍していたのだと感心します。2020年の今では、インターネットが彼らの主戦場となっているのでしょうが、どのような空中戦が各国で行われているのか想像すると楽しめます。