inahachiの書評

日々読んだ書籍の短評となります

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「パニック・裸の王様」 開高健

「パニック・裸の王様」 開高健 1960年 新潮社 開高健さんの短編集。特に第38回下半期芥川賞受賞作の裸の王様は秀逸。若かりし頃の開高さんの怒りとエネルギーが大いに詰まった作品となっています。この後、ベトナムへ従軍することになる開高さんの本質を垣…

「Foot Prints 未来から見た私たちの痕跡」 デイビッド・ファリアー

「Foot Prints 未来から見た私たちの痕跡」 デイビッド・ファリアー 2021年 東洋経済新聞社 現代に人間の活動が数万年後に化石や遺跡となった時にどのように見えるのか?という主題で環境問題に関して考えてみるという内容。ただし、翻訳本になるような…

「自分を超える心とからだの使い方」 下條信輔 為末大

「自分を超える心とからだの使い方」 下條信輔 為末大 2021年 朝日新聞出版 心理学者の下條さんと、元陸上選手の為末さんのコラボ+対談。軸となるテーマは、スポーツにおけるこころの解析となります。夢中になることと、フローやゾーンの考え方などを二…

「世界最強 日本人の底力」飯島勲

「世界最強 日本人の底力」飯島勲 2021年 プレジデント社 飯島節が全開の時事エッセイ。なぜか最後は愛煙家擁護の話になってしまいます。とてもタバコを愛しているのは分かりますが、根本的な論の組み立てが弱いので、形勢逆転にはならないでしょう。菅首相…

「科学者になりたい君へ」 佐藤勝彦

「科学者になりたい君へ」 佐藤勝彦 2020年 河出書房 理論物理学者の佐藤勝彦さんが学術システムセンター所長を退官するにあたり、みずからの業績を振り返りながら、未来の科学者へアドバイスをするような構成となっています。自伝+指南書(最後には所…

「UMEZZ MOVIE」楳津かずお 2009年 小学館 まことちゃんで有名な漫画家、楳津かずおさんの写真集。複層や自宅も様々な色に飾った楳津さんの色感覚を楽しむ写真集となっています。アーティストの頭の中を見るような感じになり気分転嫁にはお勧めな一冊。

「友達幻想」菅野仁 2008年

「友達幻想」菅野仁 2008年 ちくまプリマー新書 人と人の付き合いは古代からの永遠のテーマとなっております。これだけ長く解決しない問題は、解決策は無いですよというスタンスの意見を展開しています。新しい切り口として現代の友達付き合いには、ルール関…

「統計学のしくみ」 佐々木弾

「統計学のしくみ」 佐々木弾 2021年 西東社 様々なことを学ぶのに、データやグラフにあたることが重要です。でも、考え方をまとめるにあたりデータの読み取り方やグラフの見方を知らなければ情報もうまくとれないし、誘導するような作り方のグラフに騙され…

「教養論ノート」 浅羽通明

「教養論ノート」 浅羽通明 2000年 幻冬舎 現代にいいて教養とは何なのかと改めて考える本。学者や文化人は狭い領域で深く研究しているがために、他社への影響力は無くなっていること。けれども自分に権威があると思っている為に、教養を強要する姿勢がさら…

「自分を超える法」 ピーター・セージ

「自分を超える法」 ピーター・セージ 2011年 ダイヤモンド社 イギリスのビジネスコンサル ピーター・セージさんの自己啓発本。ビジネス本によくある項目の羅列なので目新しい思想はあまり見受けられませんでした。立ち読み10分くらいで読了するのが一番良…

「言葉の煎じ薬」 呉智英

「言葉の煎じ薬」 呉智英 2010年 双葉社 文化系の評論家の呉さんの言葉に関してのエッセイ。特に本書を通じてテーマがあるわけではありませんが、日本語の使われ方に関して知見が深まることでしょう。

「佐藤可士和の対話ノート」 佐藤可士和 

「佐藤可士和の対話ノート」 佐藤可士和 2021年 誠文堂新光社 佐藤可士和と現在クリエーター20名による対談集。これからのアートや人間の目指す方向を模索している様子がうかがえます。それぞれの方が自分の領域ではAIに引けを取らないものでああるという自…

「大人のための絵本の本」岡田ミユ

「大人のための絵本の本」岡田ミユ 2009年 エンターブレイン 昔からある人気の絵本を100冊イラストとともに紹介する本。なつかしいものや初見のものもあり、大人になっても改めて絵本をみてみたい気持ちになります。

「佐藤可士和の対話ノート」 佐藤可士和

「佐藤可士和の対話ノート」 佐藤可士和 2021年 誠文堂新光社 佐藤可士和と現在クリエーター20名による対談集。これからのアートや人間の目指す方向を模索している様子がうかがえます。それぞれの方が自分の領域ではAIに引けを取らないものでああるという自…

「起業の科学」 田所 雅之

「起業の科学」 田所 雅之 2017年 日系BP 起業系コンサルの田所さんの指南書。2017年当時のスタートアップに関しての入門書となります。スタートアップとスモールビジネスの違いなど出来るだけ理論体系を作り上げたうえに、図表もふんだんに使われているので…

「大衆の反逆」オルテガ・イ・ガセット

「大衆の反逆」オルテガ・イ・ガセット (佐々木孝 訳)2020年 岩波書店 2020年の出版ですが、もともとの書籍は1930年に出版された本となります。そのため、歴史書という考え方で接するのが良いかと思います。当時の帝国主義、欧州上位主義、貴族主義など、…

「デーブスペクターのTOKYO裁判」デーブスペクター

「デーブスペクターのTOKYO裁判」デーブスペクター1989年 文藝春秋 今やダジャレを言う外国人というイメージのデーブスペクターさんが当時の大きな話題や影響力を持った方々へ行ったインタビュー集。歴史的な事件の当事者の小野田實郎、佐川一政、ARシディキ…

「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」木村尚義

「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」木村尚義 2011年 あさ出版 ショートカットをする、パラダイムを変えるなどの新しい切り口で考えましょうというラテラルシンキングの説明本。ですが、事例を見ても何をもってラテラルなのかの定義はあ…

「理由」 宮部みゆき

「理由」 宮部みゆき 2004年 新潮文庫 題名がシンプルにも関わらず構成が込み入っている上に登場人物が多くきちんと理解するのに難しい小説。感想としては、不動産に固執することは良くないなと、何かミスをしたら正直に話をした方が面倒なことにならないの…

「人格改造マニュアル」鶴見済

「人格改造マニュアル」鶴見済 1996年 太田出版 完全自殺マニュアルを書いた著者の2作目。自殺するより、人格改造で対応する方法もあると説明しています。取材や実体験も相当積んだようで内容の信ぴょう性は高いです。ただし、法に触れるやり方も多く、また…

「何者」 浅井リョウ

「何者」 浅井リョウ 2012年 新潮文庫 就活、SNS、裏垢と日本的な要素満載の若者のストーリー。既に初老の私にとっては、なぜこのような時間の無駄な人間関係にとらわれるのか全く理解出来ませんでした。けれどもこのプロットが受けて映画化もされたようなの…

「教師をやめる」 前屋 毅 

「教師をやめる」 前屋 毅 2021年 学事出版 労働環境がブラックだと最近話題になっている小中学校教師を辞めた方14名の手記となります。それぞれの理由はあるにしても個別の出来事を述べているだけなので、これらが特殊なケースなのか、体制の問題なのか分か…

「カリスマ論」 岡田斗司夫

「カリスマ論」 岡田斗司夫 2015年 KKベストセラーズ 2015年出版のこの本はある意味預言書となっています。コロナ後の現時点(2021年)においては一般の人も理解出来るような、オンラインサロン、クラウドファウンディング、セカンドクリエーターなどの動き…

「1000冊読む 読書術」轡田隆史

「1000冊読む 読書術」轡田隆史 2009年 三笠書房 相当な読書家の轡田さんの読書術というか、読書史。見出しは、術になっていますが、内容な轡田さんの感想で構成されております。驚くべきは、当時75歳となっている轡田さんの記憶力と構成力。ヒトは年齢だけ…

「ゲノム編集を問う」 石井哲也

「ゲノム編集を問う」 石井哲也 2017年 岩浪新書 100年後の未来には一般的な治療になっているかもしれないゲノム編集の現在地を見ることが出来ます。また、遺伝子組み換えとゲノム編集の違いも良く分かります。現代の教養として押さえておくべき一冊。

「目の見えない人は世界をどう見ているのか?」伊藤亜紗

「目の見えない人は世界をどう見ているのか?」伊藤亜紗 2015年 光文社 目の見えない人々の現状を様々な事例を使って紹介している本。最終章のユーモアの項目が特に楽しめました。どんな状況であったとしても、ユーモアをもって生きることが豊かな人生につな…

「チョコレートの世界史」武田尚子

「チョコレートの世界史」武田尚子 2010年 中公新書 南米原産のカカオ豆からどのようにして、チョコレートになり、世界に広がったのかを学べるチョコレートの近代史。チョコレート関係の一般常識として抑えておくべき一冊。

「やりすぎ教育」 武田信子

「やりすぎ教育」 武田信子 2021年 ポプラ社 タイトルと表紙はよさげなので、本屋で手に取る方は多いかもしれません。内容はよくある詰め込み教育の批判なのですが、かといって放置(ネグレクト)もダメとうことで両極端を批判しております。またまたよくあ…

「ヤバイ日本経済」 山口正洋、山崎元、吉崎達彦

「ヤバイ日本経済」 山口正洋、山崎元、吉崎達彦 2014年 東洋経済新報社 世の中にあふれている商品としての金融・経済ではなく。実際のところをヒモ解く3人の経済論者の対談。究極は保険も投資も売りてが販売している金融関係の商品はほとんどが損になるこ…